灸頭鍼や点灸などお灸に使われるもぐさですが、
もちろんものによって良し悪しがあります。
今回は、もぐさの良し悪しの見分け方についてお話しします。
※この写真のもぐさは最高級品となります。
・良品ほど淡黄白色
もぐさは、一般的に良質なものほど淡黄白色であるといわれます。
最高級品は、薄い山吹色のような色です。
そこから質が悪くなるにつれてだんだんと黒ずんでいきます。
そして、粗悪品になれば、もぐさの色は黒褐色のような感じで、
高級品と比べてみるとかなり黄色が暗くなっているのがわかります。
どちらか一方だけを見てもあまり分かりにくいかもしれませんので、
是非両者を比べてみるのがいいでしょう。
・良品ほど軽く柔らかい
また、もぐさの感触は、良品であるほど軽くふんわりとしたものだといわれます。
これは、もぐさがしっかり乾燥している証拠で、
湿気がなく乾燥したものほど高級品とされているのです。
なので、湿気を含みだまになっていて、
触った感触も重たい感じのもぐさは高級品とは言えませんね。
良質なもぐさを見分ける二つの基準をお伝えしました。
しかし実際は、粗悪品のもぐさが使えないというわけではないのです。
実は、感触の柔らかいものが良くて、重いものが悪いというわけではないのです。
もぐさの質ごとの特徴についてお話しします。
・乾燥したものは燃焼が速い
これは皆さん理解できると思うのですが、
もぐさは乾燥しているほど燃焼するのが速くなります。
紙でもなんでも、湿っていると燃えにくいですが、
乾燥しているとすぐに燃えてしまいますよね。
これと同じことがもぐさでも起こるのです。
では、乾燥していてすぐになくなってしまうものが良いのかというとそうではありません、
治療法によって、向き不向きというのがあります。
・灸頭鍼には湿ったもぐさ
湿ったもぐさと言っても、本当に湿っていたら火をつけても燃えませんので、
乾燥したものと比べてやや湿っているといった程度でしょう。
それが向いているのは、灸頭鍼などの、からだに直接もぐさを乗せない場合の治療です。
なぜかというと、湿ったもぐさは燃焼スピードが遅いだけではなく、
燃焼の温度が高くなるため、からだから離して間接的に熱を与えるタイプの治療には向いているからです。
逆に、直接からだに乗せる点灸の場合には、あまり熱くなりすぎない乾燥したもぐさが使われます。
いかがでしたでしょうか。
もぐさは種類によって違った特徴があります。
一般的には、湿気を含まない軽く乾燥したものが高級品だと言われますが、
治療法によって向き不向きがあるということを覚えておきましょう。