- こんにちは。今日は銀座、六本木、名古屋で鍼灸院をされている関口先生のインタビューをさせていただきます。 関口先生の近況をお教えください。
岡部
- 始めた当初は、2010年の9月に関口鍼灸治療院と言うあんまりやる気のないスタイルでやってました(笑) そこから色々経験していて僕のビジョンだとかミッションだとかが明確になっていって、その積み重ねで今では素敵な仲間と日々治療ができる場所が3店舗ある、という感じですね。
関口
- ね、いい感じですもんね! 今ね、すごく。
岡部
- 2018年に『月曜断食』という大ベストセラー本を出版したこともあり、いい感じになってきました(笑)
関口
- さすがベストセラー作家関口さんです(笑)
うまくいっている要因とかっていうのを聞こうと思ったんですが、出版以外に力を入れたことってありますか?
岡部
- そもそもウチが鍼灸マーケットで戦っているという感覚はないんですよ。 世のため、人のためになることを鍼灸でやっている感覚です。 鍼灸院なんですけど、世の中の人が求めているものを提供する、というのかな。そういうのはすごく思っていて。 例えば、「ダイエットを鍼治療でやっていく」というスタイルだったり。 そういったところが世の中の人たちに求められているサービスを提供している、という感覚なんですかね。
関口
- そうですよね、新しいですよね『ダイエット鍼灸』っていうのは。
ちなみに、失敗したことや苦労した経験が今に繋がっていますか。
岡部
- そうですね。失敗した経験は腐るほどありますよ(笑)
関口
- そうなんですね! 例えば?
岡部
- 一番大きかったのは人を雇用したときですかね。自分が楽をしたいが故に人を雇用しちゃってたんですよね。
関口
- 関口先生夜遊び好きですもんね(笑)
じゃなくて、たしかに僕もそういう経験あります。
岡部
- でもまあ働く側の気持ちになって考えて、トライアンドエラーで自分を変えていきました。
あともう一個はね、ミッションも無く院を拡張していった時があったんですよね。しかし、それまでやってきたことがたまたま上手く行って患者さんが増えたというか。根拠の無い拡張だったんですよね。やっぱりそうなると患者さんが減っちゃった時に、何が悪いのか自分で解析できなかったりとかいうことがあったので、ミッションもなく拡張してしまったという時期はやっぱりそういう反省は大きくなっていましたね。
関口
- なるほど!
あとは、お金の件で苦労したことはあります?
岡部
- 鍼灸師は大学で経営学を学んで鍼灸院を始めるわけではないじゃないですか。経営に関しては素人以下だと思っていて、院の予算管理とか後々になってこんなに税金を払わなければならないのかみたいな。という経験もありました。
関口
- そうなんですよね。そういうところも気をつけないといけないですよね。
ありがとうございます。では次になんですけど、技術を高めるために、取り組まれていることはありますか?
岡部
- 内部の勉強会だったりだとか、時間がある時はマンツーマンのチェックだとかをしたりしていましたね。後は外部の勉強会で学んで 来たこととかを院内でアウトプット したりとか。実践で補えないものをどう補完するのか といったところは意識していますね。
関口
- はい、ありがとうございます。で話が戻ってしまうんですけど 開業前にこんなことをしたよ、ということはありましたか?
岡部
- 何と言うか、僕はそんなに志高く開業したタイプではないので、正直何も準備してませんでした。
関口
- 開業前に勤めてた院が結構流行ってましたもんね。開業すればお客さんが来るみたいなイメージはあったんですか?
岡部
- そうですね、それもありましたし、元々海外に行きたかったっていうのが行き場を失って 開業してしまったという感じです。
でも、開業することが一つのゴール になっちゃっていたんですよね。でもそこがスタートじゃないですか。なので 最初は患者さん来なかったんですね。
関口
- 何ヶ月ぐらい来なかったんでしょうか?
岡部
- 5ヶ月ぐらいはずっと来なくて赤字でした。
関口
- えー、そうなんですか。実際、月に何人ぐらい来られてたんですか?
岡部
- 開業当初は赤字続き、初月は54人。広告も打たず、集客もしていません。ただ、9ヶ月たってこのままじゃ廃業だと思い、周りの人に相談したらその人たちから紹介いただき、つくづく人との繋がりが大事だと思いました。
関口
- そうだったんですね。
岡部
- 一時期僕が人との繋がりを増やしたいと思って、仕事終わった後に『 直帰しちゃだめルール』というの自分で作っていたんですよ。
関口
- 直帰しないでどこ行ってたんですか?
岡部
- 自分は飲まないんですけど立ち飲みバー行ったりだとか、 仕事終わった後知り合いが飲んでいたら顔を出しに行ったりとか。
関口
- えーすごいですね。
なんでそのルールを課したんでしょう?何かきっかけがあったんですか?
岡部
- 自分の中に「人とのつながりがあればなんとかなる」 というのがあったんですよ。 コミュニティってやっぱりすごく大事だなと昔から思っていて。 正直僕はそのコミュニティで経済が回ればそれがベストだなと 思っておりまして。
関口
- まあ今もそういう感じですもんね。
岡部
- そうそうそう! じゃあ僕も何か同じコミュニティで特別なスキルを持っている人がいたら その人に何かお願いしたいということがあったりもしますし、そうなればお互い win-win だし、それで 経済が回るのが一番理想ではないのかなあと と思うのでだから僕は村を作りたいんですよね(笑)
関口
- 村ね(笑)
岡部
- 活性化していない田舎のコミュニティに IT を学んでいる若者を呼んだりだとか、料理のスペシャリストがいたりとか、体の状態を見るドクターがいたりとか、そして鍼灸師がいたりとか。 そしてその村に仮想通貨があったりだとかして。お金が回らなかったとしたら物々交換でもいいですよね。
関口
- でもそういうことを実践していたということですよね 。人とのつながりを大事にしていたり人がいるところに行ってコミュニティを作ったり。
では次にどう集客をしているのかを聞きたいと思います。
岡部
- 口コミの力が大きいですね。昔から来ている患者さんからの繋がりで13、4人ぐらい繋がってきたことがあったんですよ。これって凄いことじゃないですか。その中の一番最初の人と最後の人っていうのは全く共通点がないんですよね。こういうのがすごい面白くて。それだけ治療によって見た目が変化したり、それを友人に伝えたくなったりとかが大きいのかなと。そのリアルな口コミというのはある程度ティーアップされた状態で患者さんが来てくれるから、クロージングがすごく楽なんですよね。
関口
- 信頼関係が出来上がってますもんね
岡部
- そうですね。リアルな口コミというのは 信頼関係が構築されているので。それが一番いいですよね 。
関口
- そうですか。具体的な集客の方法とかを聞こうとも思ったんですけど、今の話に集約されている感じですかね。
岡部
- 表の口コミも大事なんですけど、クローズドの口コミが伝わるためにどういった施術をしているのかという所と、それを紹介したくなる院だとか人柄という所になってくるのかなと。
関口
- お話してて思うことは、人間関係がやはり大きいのかなと。 そういったところを大切にされていると言うか。
岡部
- 僕はまあそういうタイプなのでね。
関口
- ではさらに一歩踏み込んで経営で大切にされてることも聞いてみたいと思います。
岡部
- 一番は顧客とスタッフのためかなと思っています。 患者さんであれば施術をしっかり提供できるのかであったり、スタッフであればある程度の衣食住やライフワークバランスだとかを確立していける環境を用意するとか。
全てにおいて何を求めているのか、ということに答えていくだけかなと思います。お金の管理だとか細かいことはいっぱいあるんですけど、一番大事にしているのはそこかなと思います。
関口
- はい、わかりました。
後はそうですね、お客さんに喜ばれたりだとかそういうエピソードは何かありますか?喜ばれるためにこういう仕掛けをしています、だとか。
岡部
- 患者さんを自分の親、家族、恋人、旦那、奥さんくらいの人と同じポジションで考えるようにしてます。今私は自分の母親とは月に1回会うか会わないかくらいの頻度なんですけど、それと比べると毎週来てくれている患者さんとはもっと頻度が高いわけじゃないですか。家族とかそれくらいの感覚で接していると必然的に大切になってくるんですね。
関口
- 他の院ではやっていないこともいっぱいありますもんね。
岡部
- 雨の日だったら玄関にタオルを置いておいたりとか。
関口
- そういったことを当たり前にできているというのは大事だと思いますし、他の院からしたら「そういうことをやっているんだなあ」という新しい発見になるかもですし。いやーさすがですね。
岡部
- ごめんなさい当たり前すぎることばかりで(笑)
関口
- あーでもそれができているということがすごいと思います。 いやーさすがですね。
岡部
- 例えば、お客さんを口説きたい女ぐらいに思っていたら、喜んでもらおうということは普通にするじゃないですか。 気になっている女の子だったら「また会いたい」と思われるような デートを色々考えるわけじゃないですか。それと似ているなと思うんですよね。 マインドの話になってしまうんですけど。それができないなら鍼灸師辞めてしまえって話になってしまうんです(笑)
関口
- では学生さんだったり1、2年目の新卒の鍼灸師さんに向けて何かメッセージがあればお願いします。
岡部
- 学生さん自身が鍼灸師業界にどういうイメージを持っているのか、ワクワクしているのかもしくはネガティブに思っているのかわかりませんが、僕らの少し上の世代の人たちが美容鍼灸という業界の土壌を作ってくれて、今度は僕らの世代が種を植えて。となってきた時に20代の学生さんだとかこれから鍼灸師になる人たちがそれをやっぱり収穫する時期だと思うんですね。 ですから若い人達には「お客さんやスッタフなど相手のことを一番に考える」鍼灸を当たり前の文化にしていって欲しいな、と思っていて。
僕は今まで 鍼灸師として働くなら治療院にいた方がいいと思っていたスタンスだったんですよ。 アルバイトね。でも最近は結構変わってきて、どうせなら学生のうちに 別のサービス業だとかの経験値を積むのもいいのかなと思っています。 ホテルや旅館なんかのレベルの高いホスピタリティを学べるところにアルバイトをしに行ったりとか。鍼灸師になってしまうと鍼灸師以外の仕事をするというのは難しくなってしまうじゃないですか。ちょっと行ってみたいな、勉強したいなと思ってもそれってなかなか難しくて。それだけでも鍼灸師になった時のマインドだとか ステップアップの助けになるんじゃないかなと。技術的なところは臨床に出れば 補っていけると思うので、学生の時にはそういう経験をした方がいいんじゃないかなと思います。もちろん学業が本業なんだけど、その時にしかできないことをすべきかなと。
関口
- ありがとうございます。
ではウチを使っていただいている理由と、後はこんなところがあったらいいんじゃないかなというのを教えてください。
岡部
- 正直鍼を買うのってそんなにどこも値段変わらないじゃないですか? 自分がこの業界でやっていくとなったらある程度取引していくわけじゃないですか。だからやっぱり一生付き合いたいと思える存在がメイプル名古屋さんなんですよね。なのでメイプル名古屋さんがやっていらっしゃる所に治療院のヒントというのはあると思うんですよね。鍼を送ることを頼んだから鍼を送るというだけでなく、ちょっとしたメッセージが入っていたりだとか、その人のためになる情報が入っていたりだとか、問い合わせした時の対応だとか。そういうところ一つとってもできていない治療院というのは多いと思うので。 一緒に取引をしてて学ぶことが多いとは思います。
関口
- ありがとうございます。
岡部
- メイプルさん的には 鍼を売っているんじゃなく笑顔を売っているんだ(笑)
関口
- 笑顔と幸せを届けているんだっていうね(笑)
岡部
- 後は応援してくれてるじゃないですか。うちだけでもなく知り合った治療院の人達とか先生達とかにちょっとでもプラスになることとかをね。情報を投げかけて くれたりだとか。その応援されている感というのが他のどのディーラーよりも 感じるんですね。
関口
- ありがとうございます。 後はさらに「こういうところがあればいいな」ということは何かないですか?
岡部
- Webの使いにくさというのは感じました。でも新しくリニューアル してからはすごく良くて。これはうちもそうなんですけど、メイプル名古屋さんも上位顧客を大事にされていると思うんです。年間の利用回数に応じて割引を適用したりだとか。そういうことだけじゃなく上位顧客には 何かしらの還元をしていると思うんですけど、そういうことができていれば 今後長く太く付き合っていく ようにも変わっていったりするのかなー、と。
関口
- やっぱり関口先生は常に学んでいらっしゃるんですよね。世の中ヒントだらけなのでそこをいかにキャッチするかという。学ぶ意識がある人は全然違いますからね。そういう人はどこからでも情報取ってくるからね。
岡部
- 単純になんとなく入ったごはん処でも一個ぐらいは学びがあったりするし。
関口
- その上でちょっとお高い所に行ったりするとまた学びがあったりしますし。ちょっと背伸びして行ってみるのも大事かなーって。
とりあえずインタビューとしては以上ですね。 他に何かありませんか?
岡部
- メイプル名古屋さんは今鍼灸師を応援してくれているじゃないですか。そういったようなサービスを今後も作っていてほしいなと。ただ単に鍼を売るとかだけでなく、ホームページのことやコンサルティングのこともそうですし。
https://www.maiple-nagoya.com/
関口
- はい!ありがとうございます。
これからも頑張らせていただきます。
岡部
関口賢:はり師、灸師、「Harriet Ginza」総院長
関口 賢(せきぐち まさる)
中国式鍼治療専門店ハリー(HURRI)の王先生に憧れ、弟子入り。のべ約5万人の臨床経験を生かして、この時代に合った新たな鍼灸を確立と共に鍼灸業界の常識を覆し、多くの人々の健康に貢献することを目指して、関口鍼灸治療院を開業。
関口院長が執筆をした、1ヶ月で5~7kg減 奇跡の0円ダイエット本「月曜断食」は5万部を超えるロングセラーとなり、台湾版・韓国版が出るなど日本を飛び出してアジアでも愛されている。