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“鍼”とひとくちに言ってもその種類はとても多く、どれを選んだらよいかお悩みの方も多いのではないでしょうか。最近では鍼をただ打つだけではなく、機能的でかつ扱いも容易な鍼も販売されており、その種類は膨大になってきています。
そこで今回は、鍼のシェアでも日本国内トップクラスである「セイリン」社製の鍼の種類をご紹介していきます。
セイリン製鍼は豊富な種類と特徴を兼ね揃えている
セイリン株式会社の鍼は日本国内でトップクラスのシェアを誇り、製品は日本国内で製造されているので、信頼度がとても高いです。
また、日本国内のみならず、アメリカ、ドイツなどワールドワイドに事業を展開しています。世界中で使用されているセイリン製の鍼は、それだけ豊富な種類があり、様々なニーズを満たす特徴を兼ね揃えているのです。
これから紹介するセイリン製の鍼の特徴と種類をおさえて、自身の用途に合った商品を選定しましょう。
セイリン製鍼の種類
引用元:セイリン
豊富な商品展開の「毫鍼」
昨今の鍼治療において最もポピュラーな鍼が毫鍼(ごうしん)であり、優先的にそろえておきたい製品でしょう。そんな毫鍼はセイリンでも数多くの製品を取り扱っており、メーカーHPに掲載されているだけでも9種類あります。その中でも特におすすめなのが以下の3種類になります。
① セイリン JSP
日本で使われている毫鍼の代表格と言っても過言ではないのが「セイリン JSP」です。 「JSP鍼尖技術」という最新技術が採用されており、鍼先を丸くすることで切鍼、刺鍼、刺入とどの工程でもスムーズに施術をすることができます。
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② セイリン J Type
現在流通している鍼の多くは、鍼先が「松葉型」をしています。松葉のような形をしているのでその名がついていますが、「セイリン J Type」では「改良松葉型」という従来の松葉型を改良した技術が使われています。
松葉型よりも鋭利で細いので、患者の方にかかる負担が少ない製品です。
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③ 軟鍼(なんしん)
その名の通り、セイリンの従来製品よりも鍼先が20%柔らかいのが「軟鍼」です。
鍼先が柔らかいので経路を捉えやすく、柔軟な施術を可能としている一方で、柔らかいがゆえにやや扱いが難しいので、経験の豊富な方へおすすめしたい製品です。価格もJSPやJ Typeなどと比較すると一番高価な鍼です。
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様々なサイズが揃う「円皮鍼」
セイリンの取り扱う円皮鍼は、「パイオネックス」と「チタン・パイオネックス」です。
パイオネックスシリーズはプロスポーツ選手の間でも使用が広まっており、皆さんも一度は目にしたことがあるかもしれません。
中々時間が取れず鍼灸院に通うことが難しくても、パイオネックスシリーズは患者さん自身で貼ることもできるので、忙しい方には特におすすめしたい製品です。
①パイオネックス
テープで張り付けるタイプの鍼ですが、テープによる蒸れが少ないのでストレスなく快適に使用することができます。また、貼り付けた時の違和感が少ないので、運動をするときでも気にならない鍼です。
粘着面に触れることなく、患部に直接貼り付けることができる包装になっているので、衛生面も安心できます。
②チタン・パイオネックス
パイオネックスのいいところはそのままに、鍼先にチタンを採用している製品がチタン・パイオネックスです。
チタンパイオネックスの鍼先には、金属アレルギーの方に配慮してニッケル、クロムなどの金属が含有されていないので、金属アレルギーの方でも使用できる鍼です。
※すべての金属アレルギーの方が使えるわけではありません。
チタンを使用しているので、通常のパイオネックスよりも高価です。
取り出しやすく扱いやすい「皮内鍼」
皮内鍼はとても細く、小さいので扱いにくい鍼ですが、セイリンの皮内鍼は扱いやすいことが最大の特徴です。皮内鍼が1本ずつ個別に包装されているNSタイプと、25本入りのSSタイプがあり、いずれもピンセットを使って1本ずつ確実でスムーズに取り出すことができるので扱いが容易です。
鍼は無菌保障されているので、感染症などのリスクも小さくなっています。
①患者の方でもセルフケア可能な「接触器」
鍼先がなく「押圧」の刺激によるものなので、お客様自身で貼り付けることができます。
お子様や初めての施術で鍼に抵抗がある方におすすめです。
②パイオネックス・ゼロ
鍼先がなく、代わりにステンレスの突起部が付いています。
テープ部分に3Mのマイクロポアスポーツが使われており、剥がすときにも皮膚に優しい製品です。
テープ幅が12mmのタイプと、テープ幅が9mmの2種類のタイプがあります。9mmタイプはテープ幅が小さいので、肘の裏などの貼りにくかった患部でも貼ることができますし、目立ちにくいので、見た目を気にしたい方も安心な製品です。
③こりスポッと
一見パイオネックス・ゼロと見た目が似ていますが、「こりスポッと」は突起部が樹脂製の製品です。金属を全く使用していないので、金属アレルギーの方でも安心して使用することができます。
また、突起部は1枚のテープに固定されているので、貼り付け続けた時に取れてしまう心配もほとんどありません。
セイリン製鍼には数種類の先端技術が詰まっている
引用元:セイリン
1/1000mm単位の精密さで加工される
そもそも鍼は患者さんの体内に入るものなので、当然のごとく信頼性と精密性が求められます。
セイリンでは鍼の原材料である、ステンレスにまでこだわって製造しています。汎用品を使わず、独自のステンレスを採用し、厳格な購入検査規格に適合しなければ製品として使用されません。
さらにそのステンレスを、1/1000mm単位の精密さで加工し、再度検査を経て世に出回ることになります。
これは、患者の方の痛みが少ない、高品質・高精度な鍼を作るうえで欠かすことのできない技術です。
その分、この技術が採用されているディスポ鍼は、他のシリーズと比較すると少々値が張ります。それでも、患者の方の満足度を考えると決して高価ではないでしょう。
「超音波技術」によって点で接合される
セイリンの鍼は、鍼管と鍼柄が1mmほどの点で超音波溶着されています。
一見「1㎜」と非常に小さな結合点であるため、強度面での不安をお持ちの方もいるかもしれませんが、これは鍼柄を片手で鍼管から外すことができるよう計算されたものです。
また、鍼管から鍼柄を一度外したら戻らない設計になっているので、一目で未使用か使用済みかを見極めることができます。
鍼管の単面を丸く成形し、インサート成形技術の確立
従来製品の鍼管は製造過程で切断したときに角が立ってしまい、肌に触れると違和感がありました。そこでセイリンは鍼管にも目を付けて改良しました。
鍼管の端を丸く成形し、鍼管を厚くすることによってあたりが柔らかくなり、肌触りを良くすることに成功したのです。
鍼管を厚くすることは患者の方のみならず、施術者にも持ちやすく、扱いやすくなるなどのメリットがあります。
また、インサート成形技術を確立することによって鍼対が鍼柄の中心にあるので、回旋したときに患者の方への痛みが少ない施術をすることができます。
豊富なバリエーション、カラーコードの採用
カラーコードのおかげで線径が明確で、治療部位に適した鍼を速やかに選定することができます。
他社の製品も鍼のカラーコードは採用されていますが、セイリンのカラーコードは鮮やかで、より識別しやすい色分けがされています。
そのため、セミナーや講習会などで解説しながら施術をする機会でも「色が違ってわかりやすい」という評価も得られているようです。
まとめ
豊富な種類のセイリン製鍼について解説しました。製品の種類はさることながら、最新技術が多く詰め込まれているのがセイリン製鍼の特徴です。
鍼治療では様々な悩み、痛みを抱えた患者の方を治療する鍼灸師ですが、幅広いニーズに合った製品がなければ、それらを解決してあげることはできません。
日頃から様々な製品の特長、幅広い製品を揃えておくことが大切です。