鍼治療に長い鍼を利用している施術師の方もいると思いますが、皮内鍼という置き鍼の一種を使うと、長い鍼と同じような美容効果を期待できます。特に女性の患者さんの中には、美容鍼に興味をお持ちの方もいると思います。

そこで今回は、皮内鍼とはどのような鍼なのか、皮内鍼に期待できる7つ美容効果を紹介します。

皮内鍼の特徴

皮内鍼 特徴 鍼治療において、「留置鍼(りゅうちしん)」といった、ツボに刺した鍼を10分から20分ほど放置する施術法があります。ただ、それは患者さんが施術中に動けないというデメリットがありました。

そこで鍼を刺したまま放置できるよう、開発されたのが皮内鍼です。皮内鍼はとても小さな鍼で、テープで固定することで数日間貼ったままにできるという便利な置き鍼の一種なのです。

皮内鍼に期待できる7つの美容効果

皮内鍼に期待できる7つ美容効果について解説します。

自律神経のバランスを整える効果

皮内鍼をはじめ、東洋医学の施術は自律神経の働きをコントロールすることが得意です。自律神経は交感神経副交感神経の2つから成っています。

自律神経は体温を調節したり、血液の循環をコントロールしたり、細胞を分裂させたり、髪の毛や爪を成長させたりと、私たちの生命活動に深く関わっています。

鍼灸治療においては、自律神経のバランスを調整することで、その人が本来持っている自己治癒力を高めます。

交感神経副交感神経は、車でいうところのアクセルブレーキの関係にありますが、何らかの疾患を患っている人や体調のすぐれない人は、交感神経が優位になりがちです。

欧米人に比べると日本を含むアジア諸国の人は交感神経優位の傾向にあり、そのことも中国や韓国、日本を中心に、鍼灸治療を始めとした東洋医学が浸透した一因となっています。

自律神経のうち交感神経が優位になると、睡眠の質が低下します。夜になっても交感神経優位の状態が続くことで、身体のブレーキが利かなくなってしまい、深い睡眠を得られなくなるのです。

「夜更かしは美容の大敵」という言葉には、ちゃんと根拠があるのです。鍼治療をおこなうと、自律神経のバランスを副交感神経優位の状態に持っていけるため、血行を促進し、睡眠の質を高めることが可能となります。

皮内鍼によって自律神経のバランスが整えば、身体の回復力が高まるため、身体の内側から健康的に美しくなれるのです。

美顔効果

顔に皮内鍼を用いた場合、顔の血流が増すので、顔色がよくなります。また顔の皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)が活発になるため、お肌のコンディションを整える効果が期待できます。

皮内鍼で顔のツボを刺激すると、ほうれい線を解消したり、目を大きく見せたり、目のくまを解消したりといった美容効果も期待できます。

むくみ改善効果

むくみは主に血行不良が原因となって起こります。むくみとは、体内に余計な水分が蓄えられている状態です。通常、人間は重力下に置かれているため、水分は足の方に滞りがちです。

長時間のデスクワークで足がむくむのはそのためです。一方、睡眠中はやや重力の干渉が弱くなるため、顔にも水分がたまります。朝起きたときに顔がむくんでいるのはそのためです。

ただ病気でもないのにむくみが解消されない場合、もしかしたら血流が滞っているのかもしれません。皮内鍼で血行を促進すれば、むくみを解消することが期待できます。

表情筋の緊張を緩和する効果

表情筋が緊張すると、顔の血管を圧迫して顔色が悪くなってしまいます。表情筋はその名の通り、私たちが表情を作るときに働く筋肉です。

表情筋もその他の筋肉と同様、動かさないことによって深い部分からコリが生じます。そのコリが血管を圧迫することで、血行が悪くなり顔色も悪くなるのです。

皮内鍼を表情筋の緊張している場所に用いることで血行が良くなり、表情筋の緊張の緩和が期待できます。その結果、顔色も良くなるのです。

美脚効果 

皮内鍼をはじめとした鍼治療には、直接骨盤や脚のバランスを変えることは期待できません。ただ顔と同様、脚のむくみを改善する効果は期待できます。

特に足の太さに悩まされている女性の場合、そのほとんどにむくみが見られます。なぜなら、女性は男性に比べ筋力が弱いからです。

足は第2の心臓といわれることがあります。心臓には血液を全身へと送り出す働きがありますが、全身に送られた血液を心臓へと送り返すのは、筋肉の収縮作用(筋ポンプ)によります。

ふくらはぎの筋肉は心臓からもっとも遠い場所にある大きな筋肉で、血液を重力に逆らって上方へと送らなければなりません。そのため、ふくらはぎの筋肉量が少ない人や、ふくらはぎの筋力が弱い人の場合、下半身の血液を心臓へと送り返す力が弱くなります。

むくみをはじめ、冷えや下肢静脈瘤が女性に多いのはそのためです。皮内鍼を足のツボに用いて血行が促進されれば、足のむくみが改善され、すらっとした美脚に近づけることが可能です。

化粧のノリがよくなる

皮内鍼を顔に用いて、皮膚の新陳代謝が活発になれば、お肌のコンディションが改善されます。化粧のノリが悪くなっている場合、肌荒れが起こっている可能性があります。

本来であれば剥がれおちるべき角質が、皮脂や汚れと混じり合って毛穴に詰まると、角栓や吹き出物ができるリスクを高めます。そのような状態が長く続くことで徐々に肌が荒れ、化粧のノリが悪くなるのです。

皮内鍼を顔に用いると、自律神経のバランスを整えるだけなく、顔への血流を増すことができます。そうすることでターンオーバーの周期を正常化させ、お肌のコンディションを整えられます。その結果、化粧のノリがよくなるのです。

小顔効果

皮内鍼を顔に用いると、顔のむくみを改善にも期待できます。

顔のむくみが改善されれば、フェイスラインがシャープになり、目を大きく見せることも可能です。

皮内鍼を刺すのにおすすめのツボ

皮内鍼 ツボ皮内鍼を刺すのにおすすめのツボを5つ紹介します。

合谷(ごくこく)

合谷は東洋医学における万能穴(ばんのうけつ)なので、知っておいて損はありません。手の親指と人差し指の交差する場所を、小指の方に向って押すと鋭い痛みを生じる場所があります。そこが合谷のツボです。

合谷のツボには肌トラブルの改善効果が期待されています。また頭痛や鼻痛、歯の痛みなど、首から上の症状に効果的とされます。ストレス解消にもおすすめのツボです。

関元(かんげん)

関元のツボはいわゆる「臍下丹田(せいかたんでん)」の場所にあるツボで、おへそから指の幅4本分下がった場所にあります。

関元には血液循環を促進し、ホルモンバランスを整え、身体を内側からキレイにする効果が期待されています。特にホルモンバランスの乱れやすい女性におすすめのツボです。

四白(しはく)

四白のツボは両方の黒眼からまっすぐ下に行った、頬骨がくぼんでいる場所にあります。「目は口ほどにものを言う」などといいますが、目が疲れている人におすすめのツボです。

四白のツボを刺激することによって、まぶたのたるみを解消して目を大きく見せることが可能です。また目の周りのクマを解消するのにも効果的とされます。

四白のツボに皮内鍼を刺す場合、頬骨に向かって下方へ刺すようにするとよいでしょう。あまり目の近くに刺さないように気をつけましょう。

巨髎(こりょう)

巨髎のツボは、両目の黒目部分と小鼻のラインを結んだ場所にあります。ちょうど頬骨のあたりに位置するツボで、刺激することでほうれい線を目立たなくさせる効果が期待できます。

巨髎のツボに皮内鍼を刺す場合、頬骨に向かって上方へ刺すとよいでしょう。巨髎のツボから左右の頬骨の下に皮内鍼をいくつか刺せば、ほうれい線を目立たなくさせる効果をさらに高めることが期待できます。

足三里(あしさんり)

足三里のツボは、膝のお皿の下側から指の幅4本分外側にあるツボです。足のむくみを解消し、足をすらっと見せるのにおすすめのツボです。

皮内鍼は美容の強い味方!ポイントは“血行”にあり

・皮内鍼は通常の鍼より長時間固定できるため、施術効果を高めることが期待できる
・皮内鍼を使うと自律神経のバランスを整え、身体の回復力を高めることが期待できる
・皮内鍼を顔に用いることで、さまざまな美容効果が期待できる

皮内鍼を顔に用いると、美顔効果や小顔効果、美脚効果など、さまざまな美容効果が期待できます。

また血行を促進することで、顔のコンディションを整えられるため、お化粧のノリも良くなります。今回紹介したおすすめのツボを刺激して、美と健康を手に入れてください。

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