目次
鍼灸院で行う治療法にはいろんなものがあります。
その中でssp治療という治療法がありますが、ssp治療とはどのような治療法なのでしょうか。
また、ssp治療にはどのような効果があるのかも見ていきます。
□ssp治療とは
ssp治療とは低周波を用いた治療法で、特殊な金属電極を使って、皮膚にあるツボに電気的な刺激を与えて治療するもので、SSP(=Silver Spike Point)という特殊な金属を使います。
ssp治療はもともと、中国の鍼麻酔をヒントにして、「刺さない針治療」として日本で開発されたものです。
そして臨床実験を繰り返した結果、安全性の高い治療法として広まっていきました。
ssp電極は駒のような形をしており、その形に秘密があります。
駒の先端が90度の角度でツボを刺激するようにできており、安定して圧迫を続けることができます。
電極は真鍮に銀メッキしたもので、電流が流れやすく電流が先端に集中するので、針を使ったのと同等の刺激を与えることができるのです。
ssp治療器の出力はプラス側もマイナス側も同一波形となっており、治療時の刺激も極性に依存せず同一の感覚が得られます。
さらに、他の治療器と比べてパルス幅が狭いため、あまり痛みを感じることがないのもssp治療の優れた特徴です。
また、刺激周波数のパターンがいろいろあり、どの周波数を組み合わせるかによって治療効果が変わるので、目的に合わせた選択ができるのも、sspが広く使われるようになった理由のひとつになっています。
□ssp治療のメリット
刺さない針として広まったssp治療には、針を使った治療法にはないメリットがたくさんあります。
まず挙げられるのは、針を使わないので痛いというイメージがないため、多くの患者に安心して施術を受けてもらえるということです。
しかも針を使わないので、雑菌に感染するおそれもなく、衛生的に使うことができます。
皮膚に刺さないので使用前に滅菌処理をする必要がなく、施術後は簡単に消毒するだけで多くの患者に使うことができるのも、大きなメリットと言えるでしょう。
また、針を刺さないので治療中に動いてもかまわないため、自由な姿勢で施術ができます。
そのため、ssp治療を受けながらマッサージできるのも、sspならではです。
治療法がきわめて単純で、ツボに電極を当てるだけですから、副作用や合併症が起こる心配もありません。
このように、ssp治療には数々のメリットがあります。
□リハビリにも効果的
ssp治療はリハビリにも応用されることがあります。
ssp治療によって筋収縮が緩和したり傷みが和らいだりするので、リハビリ治療の促進に効果があります。
ssp治療により運動神経が刺激されると、神経支配筋繊維が刺激され筋収縮や筋弛緩を促します。
また、ssp治療による電気的な刺激が脊髄に達すると、神経伝達をある程度妨害するために、痛みの感覚が減少するというメリットもあります。
□禁忌事項
ssp治療には、リハビリ時の禁忌事項がいくつかあります。
*ペースメーカー
ペースメーカーを付けた人にはssp治療を施すことはできません。
*知覚障害者
知覚障害者にもssp治療は施せません。
それは、知覚障害者にはsspの電気刺激を感じることができない場合があるからです。
このため、必要以上に強い施術を行なってしまうおそれがあります。
また、ssp治療を施してはいけない部位があります。
*目
目に施すと、必要以上の電流が流れる可能性があるため施術できません。
*頸動脈の周囲
頸動脈の周囲に施すと、急な血圧低下を起こす可能性があり、失神するおそれがあるため施術不可となっています。
*血栓症患者
血管に血栓症がある人も、ssp治療により詰まった部分が剥がれて、血管内に流れ出して詰まるおそれがあるので施術はできません。
*皮膚の傷や病変
皮膚の傷や病変がある部位にsspを施術すると、過大な電流が流れるおそれがあります。
*心臓病の病歴
過去に心臓病を患った人の胸部にsspの施術を行うと、不整脈を悪化させるおそれがあります。
*脳血管障害やてんかん
脳血管障害やてんかんの発作を起こした人は、頭部にssp治療を施すことはできません。
*妊婦
妊婦の腹部や骨盤周辺などにssp治療を施すと、胎児や子宮に影響を与えるおそれがあります。
また、妊娠していなくても、月経中の女性の腹部にも施さないほうがいいでしょう。
□ssp治療の具体的な効果
*内因性モルヒネ様効果
ssp治療を行うと、針による治療とは違ってやさしい刺激が得られます。
それが徐々に広がるために痛みが和らぐなどの効果が現れます。
ssp治療を行うと、内因性モルヒネ様物質が分泌されるため、このようになるのです。
sspで刺激すると、人体は外部からの攻撃的刺激として受け取りますが、これを下行性の感覚抑制と呼びます。
これは、脳の中にその痛みを緩和しようとする動きが起こるもので、痛みを抑えようとして、痛みの情報が脳に伝わりにくくなります。
その結果、痛みが和らいだような感覚になれるというわけです。
*血流改善による痛みの除去
炎症などを起こして痛みがある場合は、痛みを自覚させる発痛物質が患部に溜まるために、ずっと痛みを感じるという悪循環を起こします。
痛みが出ると交感神経を興奮させるため、血管が収縮され血行が悪くなります。
このため、なおさら発痛物質が溜まる結果となり、慢性的な痛みとなって自覚されるのです。
しかし、sspによる治療では、血管をゆるめて血行をよくする効果があるために、発痛物質が溜まることなく流れ出すので痛みが和らぐようになります。
ssp治療では一時的にストレスを与えることになりますが、このストレスによってもとから溜まっていたストレスを発散させて、自然治癒力を呼び覚まします。
□ssp治療の機器
中周波電気機器はssp治療に使われるものですが、中周波1,000~10,000Hzの周波数を利用して治療を行います。
このようにして、電流の周波数のリズムが同期することにより、治療効果が得られるのです。
神経繊維を一定時間刺激し続けると、筋繊維がしだいに弛緩するようになります。
中周波電気機器は痛みの緩和や神経系の再生、筋力増強などに使われます。
干渉電流のほか、1/fゆらぎによって痛みを緩和できます。
使用する電極の幅が広いために、一度に広範囲に施術できるのが、この機器を使う大きなメリットと言えるでしょう。
このように、ssp治療にはさまざまなメリットがあるため、多くの鍼灸院で治療に取り入れられています。
しかし、鍼灸院ですからあくまでも治療のメインは鍼と灸で、ssp治療は鍼灸治療をサポートするというのが一般的な位置づけとなります。
とはいっても、sspによる治療効果もかなり期待できるので、ssp治療を行う比重はどこの鍼灸院でも大きくなってきているようです。
これからは、従来の鍼と灸による治療に加えて、ssp治療を上手に組み合わせることが、高い治療効果を得るためには欠かせなくなっていくでしょう。
□まとめ
鍼灸院で行う治療法にssp治療があります。
ssp治療は低周波を用いた治療法で、特殊な電極を使って皮膚のツボに電気的な刺激を与えて治療するものです。
sspは刺さない治療法として知られており、中国の鍼麻酔をヒントに日本で開発されたものです。
針を使わないので痛みがなく、鍼灸は痛いというイメージを払拭するのに役立っています。
針を使わないので雑菌による感染の心配がなく、滅菌処理の必要もないため軽く拭くだけで、一度に多くの人に施術できるのもsspの大きなメリットです。
ssp治療にはさまざまなメリットがあるため、多くの鍼灸院で治療に取り入れられています。
従来の鍼と灸による治療とssp治療を上手に組み合わせることで、鍼灸による治療効果はさらに上がっていくことでしょう。
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