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お灸は2000年以上の歴史がある東洋医学の施術法ですが、時代を超えて多くの人々に愛されてきました。最近は自宅で簡単に貼れる、台座付きのお灸も人気です。
ただ、お灸をするのが初めてという人の場合、どこに置いていいのか分からないケースもあると思います。そこで今回は、お灸のやり方や注意点などについて紹介します。
お灸の5つのやり方
お灸には大きく分けて5つのやり方があります。中にはやけどの恐れがあるやり方もあるので、そのようなお灸は鍼灸師のアドバイスを受けたうえでおこないましょう。
小さなもぐさを乗せて火をつける
お灸といったときに、一般的にイメージされるのが、もぐさを小さくひねって皮膚の上に置き、そこに火をつけるというやり方です。このお灸法のことを「透熱灸(とうねつきゅう)」と呼んでおり、古来、お灸と言えばこの透熱灸のことを指します。
もぐさの大きさは灸法によっていろいろですが、一般的には小豆大にひねったお灸や、米粒の半分の大きさにひねったお灸が用いられます。
透熱灸の特徴はお灸を焼き切ることで、ほんの少しやけどを作ることです。やけどと燃やす際に生じるタールや燃えかすの炭の色が肌に残り、最近はあまり好まない人も増えています。人差し指ほどのお灸を皮膚の表面にすえ、焼き切る前の心地よい温度で艾を取ってしまう方法もあります。
そのようなお灸法のことを「知熱灸(ちねつきゅう)」と呼んでいます。また、鍼灸院の中には、透熱灸であっても焼き切る前に取り去るケースもあるようです。
大きなもぐさでやけどを作る
お灸法の中には、大きなもぐさで「あえて」やけどを作る方法もあります。親指の先ほどの大きさにひねったお灸を皮膚に乗せ、火をつけて焼き切ることでやけどを作ります。
その上から膏薬(こうやく)を貼って化膿させ、免疫力を高めるのが目的です。このようなお灸法のことを「打膿灸(だのうきゅう)」と呼んでいます。
ただし、大きめのもぐさを焼き切るため大変な熱さ・強い刺激をともないます。そのため、打膿灸を試したい方は、鍼灸師の方にお願いした方が良いでしょう。
ショウガやニンニクの上にお灸を乗せて火をつける
お灸法には「隔物灸(かくぶつきゅう)」と言って、皮膚ともぐさの間に薬効成分のある植物などを置き、間接的に熱を伝える方法もあります。
薬効成分のある植物には、ビワの葉やショウガ、ニンニクやニラ、塩などがあり、それぞれ枇杷灸、生姜灸、大蒜灸、韮灸、塩灸と呼ばれています。
お灸はもともと身体を温めて血行を促進する目的でおこなわれるものなので、ショウガやニンニクの成分によって、お灸の効果を高めることが期待できるというわけなのです。
イボや魚の目に乗せて火をつける
イボや魚の目を取る目的でおこなわれるお灸もあり、「焼灼灸(しょうしゃくきゅう)」と呼ばれています。
固くひねったお灸をイボや魚の目の上に置いて火をつけ、火が消えたらまた新しいお灸を乗せ、イボや魚の目を焼いてしまうお灸法です。
透熱灸とは異なり、皮膚の角質化したところに置くため、ピンポイントで当たれば熱さは感じません。ただ、焼灼灸をやりたいのであれば、鍼灸師の指導を受けるとよいでしょう。
専用の器具にもぐさを入れて気になる場所を温める
お灸法の中には、直接もぐさを皮膚や植物などの乗せて焼くのではなく、専用の器具に入れて、少し離れた場所から温める方法もあります。
専用の器具を用いたお灸法のことを「棒灸(ぼうきゅう)」や「箱灸(はこきゅう)」と呼んでいます。
棒灸は中国で現在主流となっているお灸法で、輻射熱(ふくしゃ熱)で気になる場所を温めるのが特徴です。箱灸は木などで作った箱などに網を乗せ、その上にもぐさを乗せて火を付けます。その他のお灸法とは異なり、広い範囲を同時に温められるのが特徴です。
セルフお灸のやり方
最近はセルフお灸といって、家庭でお灸を楽しむ方も増えています。そこで、セルフお灸のやり方について解説したいと思います。
セルフお灸に適したタイプのお灸を使う
セルフお灸をおこなう際に重要なことの1つが、安全なお灸を選ぶことです。一般の人が扱うには、台座灸(だいざきゅう)と呼ばれるお灸がおすすめです。
台座灸はあらかじめ火をつけてから、気になる場所に貼るという使い方をします。シールで張り付けるので、落下する心配がありません。
よく知られている台座灸がせんねん灸や長生灸(ちょうせいきゅう)で、メイプル名古屋ではお灸がはじめての方や熱さが苦手な方にもお勧めできるものから、刺激的な温熱のもの、アロマの香りのするものなど様々な台座灸を取り扱っております。
セルフお灸をする際に必要なもの
もぐさを使ってセルフお灸をするのであれば、お灸に火を転じるための線香を用意しておきましょう。
また、取ったお灸を入れておく灰皿や、火消しツボも忘れずに用意しましょう。せんねん灸などの台座灸を用いる場合は、ライターがあればOKです。
先に火をつけてからお灸を乗せる
台座灸でセルフお灸をする場合、先にお灸に火をつけてから、気になる場所にお灸を貼りましょう。
お灸を貼ってから火をつけるとやけどの危険があるので、順番を間違えないようにしましょう。
完全に火が消えていることを確認する
お灸を処分するときには、完全に火が消えていることを確認しましょう。念のために水をかけてから捨てれば、火事になる心配がありません。
部屋の換気をおこなう
もぐさを燃やすと煙が出るので、部屋の換気は忘れられないようにしましょう。
冬場など寒いときには、暖房を入れたうえで換気扇を回すなど工夫するとよいでしょう。
お灸を置く場所
セルフお灸をする場合、「どこにお灸を置いていいのか分からない」という方もいると思います。お灸は一般的に、以下のような場所に置くと効果的とされています。
ツボのある場所
鍼灸の施術所でお灸治療をする場合、ツボのある場所にもぐさを置いて火をつけるのが一般的です。
最近はインターネットのサイトやYouTubeなどでもツボに関して詳しく解説しているので、自分の症状に効果的なツボを探すとよいでしょう。
筋肉が固くなっている場所
「ツボの位置が難しくてわからない」という方は、自分の指の腹で触ってみて固くなっている場所や、押したときに気持ち良いと感じる場所にお灸を置くとよいでしょう。
冷えている場所
お灸の目的は身体を温めて、血行を促進することなので、自分で触ってみて、冷たく感じるところに置くとよいでしょう。
東洋医学では「冷えは万病のもと」とされているので、お灸をして身体がポカポカと温まる場所を探すと効果的です。
お灸をする際の注意点
せんねん灸などの台座灸を使えば家庭でも簡単にお灸が楽しめますが、お灸をする際にはいくつかの注意点があるので、簡単に解説しておきます。
熱いと感じたらすぐに取る
「マッサージは強い方が効く」と誤解している人が多いように、お灸も熱い方が効くと誤解されているケースがあります。
強すぎる刺激は身体にとってむしろ有害なので、お灸をしていて熱いと感じたら、すぐに取るようにしてください。
筋肉が固くなっている場所や、冷えている場所に、正確にお灸を置けていれば、そうすぐには熱くならないものです。
見えない場所に置くときは注意する
お灸は肩こりや腰痛の緩和目的で用いられることが多いですが、肩コリのツボや腰痛のツボは、自分から見えない場所に多く存在しています。
そのため、自分から見えない場所のお灸をするときには十分注意しましょう。できればパートナーや家族に置いてもらうとよいでしょう。
同じツボの周囲には3個まで!
温泉に長く浸かると「湯あたり」をするケースがありますが、お灸も頑張りすぎると「灸あたり」を起こし、気分が悪くなるケースもあります。
そのため、同じツボの周囲に置くお灸は3個までにとどめましょう。また、お灸をしていて気分が悪くなったら、お灸を中断して静かに身体を休めましょう。
こんな時はお灸を控えよう!
お酒を飲んでいる時や発熱をしている時、食前食後の1時間はお灸をしないようにしましょう。
また、やけど跡にお灸をすることは絶対にやめましょう。かえってやけどを悪化させる恐れがあります。
お灸で毎日の疲れを回復させよう!
・お灸にはもぐさを使う方法や台座灸を使う方法がある
・セルフお灸をするのであれば台座灸がおすすめ
・台座灸は先に火をつけてから気になる場所に貼る
・完全に火が消えたのを確認してから処分する
・お灸をしていて気分が悪くなったら中断して休む
・飲酒時や発熱時はお灸を控える
お灸をすると身体がじんわりと温かくなり、血行がよくなります。血行が良くなれば全身の栄養状態も改善されるため、疲労を早く回復させる効果が期待できます。
ただ、慣れないうちに頑張りすぎると、灸あたりを起こして気分が悪くなるケースもあります。そんな時には一時的にお灸を中断し、安静にすることが重要です。
とはいうものの、台座灸を用いたお灸は基本的に安全で気持ちが良いものなので、疲労回復目的やリラクゼーション目的で用いるのがおすすめです。
メイプル名古屋ではお灸商品を幅広く扱っております。
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