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マッサージベッドの多くは表面がビニールレザーで覆われており、とても強度が高く、また、汚れが付着しにくいように作られています。
では、マッサージをするときに、ベッドカバーをする必要はあるのでしょうか。今回はマッサージをする時にベッドカバーをする必要性と、おすすめのベッドカバーを紹介します。
マッサージをするときにベッドカバーが必要な理由
ベッドカバーというと、単にベッドを清潔に保つために用いられるように思われますが、施術用のベッドにカバーをすることには、それ以外の理由もあります。
患者さんが快適に施術を受けられる
マッサージベッドの表面はビニールレザーで覆われているものが多いのですが、ツルツルとしていて滑りやすいです。
患者さんの身体を上から押圧するような場合はそれほど問題ないのですが、太腿の外側や大腿筋膜張筋などを横から押圧した場合、患者さんの身体が横滑りしてしまうため、患者さんが快適に施術を受けられません。
マッサージベッドにカバーをしておけば、患者さんの身体とベッドカバーとの間に摩擦が生じるため、横から押圧しても身体が滑らず、快適に施術が受けられるのです。
清潔感を与える
施術所に必要とされることはいろいろあると思いますが、患者さんに清潔感を与えることもその1つではないでしょうか。
マッサージを受けに来る人の多くは、癒しを求めてきているはずです。そのため、施術所に足を踏み入れた時に、不潔な印象を持たれてしまうのは致命的です。
マッサージベッドにシワひとつないベッドカバーが掛けられているだけで、患者さんに与える印象がずいぶんと良いものになります。
マッサージベッド本体を汚れから守る
マッサージベッドはどんな患者さんにも対応できるよう、しっかりと作られているものがほとんどですし、クッションもしっかり効いているものです。
ただ、患者さんの身に着けているものでクッション部分が傷ついたり、患者さんのメイクや汗でマッサージベッドが汚れたりするリスクがあります。
ベッドカバーを掛けておけば、施術ベッドを物理的刺激や汚れから守ることが可能です。その結果、マッサージベッドを長く使えるようになります。
患者さんが起きやすいようサポートする
ベッドカバーを上手に使うと、施術を終えた患者さんが起きるときに、サポートすることが可能です。
特に高齢者など身体の動きが不自由な人の場合、ベッドカバーごと身体をスライドさせ、起き上がりやすい姿勢に持っていくことができます。
メンテナンスの手間が省ける
マッサージベッドも長く使っていると、徐々に表面が汚れてきてしまいます。中性洗剤を使って洗う場合、水で薄めた中性洗剤を布巾や布にしみこませ、汚れを丁寧にふき取ります。
その後、ぬるま湯などに浸けてよく絞った布で、洗剤をしっかりとふき取り、水分が残らないよう完全に乾かさなければなりません。
ビニールレザー専用の洗剤やメディクリーナーを利用すれば、乾燥の工程こそ省けますが、汚れをふき取る手間は変わりません。
ベッドカバーを掛けておけば、カバーが汚れを吸着してくれるので、マッサージベッドをメンテナンスする手間が省けるのです。
マッサージをするときにおすすめのベッドカバー
マッサージベッド用のベッドカバーには様々なタイプがあるので、施術スタイルや季節によって使い分けるとよいでしょう。
レザー製診察台カバー
ビニールレザーで作られているレザー製診察台カバーは、患者さんのメイクや消毒液などの薬剤が付着しても、固くなりにくいという特徴があります。
また、ビニールレザー特有の汚れにくさも兼ね備えているので、少しの汚れ程度であれば、乾いた布でふき取るだけで十分に清潔な状態を保つことが可能です。
さらに、レザー製診察台カバーには、日本産業企画(JIS)に合格した難燃機能も施されています。
綿製診察台カバー
綿(コットン)100%の綿製診察台カバーは、心地よい肌触りが特徴です。100%コットンから作られているので吸水性が高く、水分を吸収して外の放出してくれるので、サラサラとした心地よい肌触りが続きます。
また、綿には熱の放出を抑える働きと、吸水した水分を外へ排出する働きを兼ね備えています。そのため、冬場は患者さんの体温を逃さず、快適に施術を受けることが可能です。
反対に、夏場は吸水した水分を外へ排出するので、その気化熱によってカバー自体が涼しく感じられます。生地も丈夫なので、何度洗濯してもなかなか痛みません。
ただ、綿製診察台カバーのデメリットとして、シワになりやすいことや、汚れが落ちにくいことがあげられます。また、いくら吸水性に富んでいるとはいえ、大量に汗を吸ってしまうと、乾かずににおいを発することとなります。
セラピーカバー
マッサージベッドのカバーは、標準サイズの場合「タレ」の部分が15㎝~17㎝程度なのですが、セラピーカバーはタレの部分が床に接するくらい長いのが特徴です。
それによって、オーソドックスなマッサージベッドが一転、ゴージャスな印象のベッドに早変わりします。また、ベッドの下を隠すことができるので、ベッド下を収納スペースとして利用することも可能です。
セラピーカバーも綿100%なので、何度でも洗って利用することが可能です。また、カバーの色を変えることで、落ち着いた雰囲気を醸し出したり、清潔感を印象付けたりすることもできます。
クイックカバー
クイックカバーは不織布(ふしょくふ)製のベッドカバーです。多孔性(ポーラス)構造のため、吸水性や通気性、保湿性に優れており、夏場でも冬場でもオールマイティーに用いることが可能です。
不織布は通常の織物と違って織る工程を必要としません。そのため、極めて生産性が高く、通常のベッドカバーに比べるとはるかにリーズナブルです。
ただし、ビニールレザー製や綿製のベッドカバーに比べると、不織布は耐久性の点で若干劣ります。そのため、定期的に交換する必要が出てくるでしょう。
有孔フェイスカバー
マッサージベッドには、顔の部分に穴が開いている有孔(ゆうこう)タイプと、穴の開いていないタイプの2種類があります。
有孔タイプのベッドの場合、うつぶせになった患者さんが顔を出すことができるので、息苦しくないというメリットがあります。
ただ、そのままうつぶせになってしまうと、メイクや汚れがベッドに付着してしまいます。そんな時に便利なのが有孔フェイスカバーです。
有孔フェイスカバーにはサンフォライズ加工が施されており、バイアステープで仕上げられています。そのため、形が崩れにくく長持ちします。
ベッドカバーを使う時の注意点
ベッドカバーにはいろいろなタイプがあるので、その特徴を把握したうえで利用する必要があります。
ベッドのタイプに合ったものを選ぶ
施術用のベッドにはスタンダードなものや、フェイス型ヘッドがついているもの、足置きが伸び縮みするものなど、様々なタイプがあります。
そのため、ベッドのタイプに合ったベッドカバーを選ぶことが重要です。
定期的に洗浄・洗濯する
ベッドカバーは長いこと使っていると汚れてしまうので、定期的に汚れを落としたり、洗濯したりする必要があります。
ビニールレザー製のベッドカバーは選択に向かないので、専用の洗剤や中性洗剤を用いて汚れを落とし、濡れた状態が長く続かないよう気を付けましょう。
綿製やタオル地のベッドカバーは、コインランドリーで洗うのがおすすめです。自宅で洗っても構わないのですが、よほど環境が良くないと半乾きになってしまい、嫌なにおいの残る可能性があります。
コインランドリーには乾燥器があるので、そのようなリスクを避けることが可能です。冬場は静電気が起こりやすいので気を付けましょう。
保管の仕方に気を付ける
ビニールレザー製のベッドカバーはそれほど気を使わなくて良いのですが、綿製やタオル地のベッドカバーは保管の仕方に気を付けましょう。
特に梅雨時など、湿度の高い場所の置いておくと、ベッドカバーが湿ってしまい、肌触りが悪くなります。なるべく乾燥した場所に収納するよう心がけましょう。
まとめ
・マッサージベッドにカバーをすれば患者さんが快適に施術を受けられる
・ベッドカバーをすることでマッサージベッド自体を保護できる
・ベッドカバーにはいろいろな素材のものがある
・カバーは定期的に汚れを落としたり洗ったりすることが重要
マッサージベッドにベッドカバーをつけると、患者さんが快適に施術を受けられるだけでなく、マッサージベッド自体を傷や汚れから守ることができます。
マッサージベッドのタイプに応じてベッドカバーを使い分け、大切なベッドを長持ちさせましょう。