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マッサージベッドにはいろいろな幅のものがありますが、中にはベッドの幅が120㎝を超えるものもあります。
一般的な整体ベッドの幅がおよそ60㎝なので、倍の幅になるわけですが、なぜそのような幅広ベッドにする必要があるのでしょう。
今回の記事では、マッサージベッドを幅広にするメリットとデメリットについて見ていきたいと思います。
マッサージベッドを幅広にするメリット
安定性に富んでいる
幅広のマッサージベッドは、通常のマッサージベッドよりも安定性に富んでいます。
中には5本足のベッドもあり、その安定性をさらに高めています。
整体やカイロプラクティックのベッドと比べると、もともと幅広のベッドの方がマッサージに適しています。
なぜなら、マッサージを受けるときには、長時間同じ姿勢でいることが多いからです。
施術師も長時間にわたってマッサージをするため、ベッドに足をかけたり、ひざを乗せたりして少しでも身体への負担を減らす必要があるのです。
そういった意味でも、安定性の高い幅広のベッドは、マッサージ師向きだといえます。
快適に施術を受けられる
整体やカイロプラクティックの場合、矯正をおこなう時に患者さんに向きを変えてもらうケースがあります。
もちろん施術師が落ちないようにしっかりと見てはいますが、患者さんにとっては転落しないか不安なものです。
幅広のマッサージベッドの場合、そのような心配なく、ゆったりとした気持ちでマッサージが受けられます。
患者さんが向きを変えやすい
マッサージであれ、整体やカイロプラクティックであれ、患者さんに向きを変えてもらう局面が多々あります。
整体用のベッドやカイロプラクティック用のベッドの場合、患者さんがその場でクルッと回るように向きを変えなければなりません。
ところが、幅広のマッサージベッドの場合、患者さんが少々左右にずれても落ちる心配がないので、楽に向きを変えることが可能です。若い患者さんならともかく、高齢者の方に向きを変えてもらうとき、幅広のマッサージベッドがとても便利です。
ベッドの下を収納スペースとして使える
幅広のマッサージベッドは場所を取るのですが、その分、ベッドの下を収納スペースとして利用することが可能です。「タレ」の部分が長いタイプのベッドカバーを使えば、ベッドの下が見えなくなるのでさらに便利です。
マッサージベッドを幅広にするデメリット
施術師への負担が増す
整体やカイロプラクティックと比べると、もともとマッサージは施術時間が長いものです。
幅広のマッサージベッドにすると、患者さんの身体が遠くなるため、体重を使った押圧が難しくなります。
そのため、ベッドの端に足をかけたり、ひざを乗せたりして施術をおこなうケースもあるのですが、そのような姿勢で長時間の施術をおこなっていると、施術師の身体にかかる負担が増してしまいます。
広いスペースが必要
整体やカイロプラクティックに用いられるベッドは、平均すると幅が60㎝程度のものが多いですが、幅広のマッサージベッドの場合、幅が120㎝に及ぶケースもあります。となると、単純計算で倍のスペースが必要となります。
チェーン店ならともかく、個人で幅広のマッサージベッドを導入しようとした場合、かなり広いテナントを借りるなどする必要があるでしょう。
組み立てるのが大変
幅広のマッサージベッドは、組み立て式になっているものがほとんどです。
なぜなら、あらかじめ組みあがった状態で商品を発送すると、送料が高くなってしまうからです。
そのため、ベッドが送られてきたら、まず組み立てる必要があります。
幅広のマッサージベッドは一般的な施術ベッドに比べて重量もあるため、組み立ててから設置するのにも力が必要です。
患者さんが起き上がりにくい
整体やカイロプラクティックに用いられるベッドの場合、患者さんが足を下におろすことで、身体を起こしやすくなっています。
ところが幅広のマッサージベッドの場合、幅が広いため、患者さんが足を下におろそうにもなかなかおろすことができません。特に腰痛を持っている人の場合、起き上がる際に痛みを生じるリスクがあります。
気軽に移動できない
幅広のマッサージベッドは重い上に場所を取るため、いったん設置したら、気軽に移動することができません。
そのため、施術所のレイアウトをあらかじめ念入りに考えることが重要です。
比較的高額である
一般的なマッサージベッドと比べた場合、幅広のベッドは比較的高額です。そのうえ移動が困難なので、よく吟味してから購入するよう心がけましょう。
幅広マッサージベッドの種類
幅広のマッサージベッドには、スタンダードタイプ以外にもいくつかのタイプがあります。
上手に使えば施術効果を高めることも期待できます。
高さ調節が可能な幅広マッサージベッド
幅広のマッサージベッドの中には、高さ調節機能を備えているものがあります。
ベッドの高さを低くして、ベッドに足をかけたり上ったりして施術をおこなえば、より効率よく押圧刺激を加えることが可能です。
コンセント付き幅広マッサージベッド
幅広ベッドの中には、三口コンセントがついているものもあります。
通常の施術に加えてマッサージャーを併用したり、ホットマットを利用したりすることで、施術効率を高めることが期待できます。
幅広のマッサージベッドはこんな人におすすめ
リハビリをする患者さん
マッサージ師さんの中には、運動療法やストレッチを指導する方もいることでしょう。
そんな時に幅広のマッサージベッドが役立ちます。
一般的なマッサージベッドはそれほど幅がないので、その上で運動療法やストレッチをするのが難しいですが、幅広のベッドなら十分なスペースを確保できます。
体格のよい患者さん
マッサージを受けに来られる人の中には、恰幅の良い方もいるでしょう。そんなときにも幅広のマッサージベッドがおすすめです。
少々体重の重い人であっても、安定性抜群の幅広ベッドはビクともしません。
小柄な施術師
意外に思われるかもしれませんが、小柄な施術師にも幅広のマッサージベッドがおすすめです。
なぜなら、小柄な施術師の場合、ベッドの上に乗って施術ができるからです。ベッドの上に乗って施術することで、体重を利用した押圧が可能となります。
幅広のマッサージベッドにあると便利なアイテム
幅広のマッサージベッドはそれだけで利用するもの良いのですが、施術効果を高めるアイテムを併用すると、さらに患者さんの満足度を高められます。
ホットマット
マッサージをするときに気を付けたいのが快適度です。
特に夏場に部屋が暑かったり、冬場に部屋が寒かったりすると、患者さんの満足度が一気に下がってしまいます。
基本的に、マッサージを受けに来る人の多くに血行不良が見られるため、冬場に部屋が寒いのは致命的です。
そうでなくても、幅広のマッサージベッドは通常のマッサージベッドと比べ、表面積が広いため患者さんの体温をため込みにくいものです。
そこでおすすめなのがホットマットです。マッサージベッドの上にホットマットを敷き、その上からバスタオルやベッドカバーをかぶせることによって、患者さんが気持ちよく施術を受けられます。
また、ホットマットによる温熱効果自体が、患者さんの筋肉を緩め、血行を促進することに一役かってくれるので、まさに一石二鳥と言えます。
フェイスマット・バストマット
整体やカイロプラクティックに用いられるベッドは、頭の位置を自由に変えられるものが多く、また、顔のところにスペースがあるため、患者さんがうつぶせになっても息苦しくありません。
ところが、幅広のマッサージベッドの場合、4本から5本の脚にベッド部分が乗っているだけなので、頭の位置を変えるにはフェイスマットやまくらが必要となります。
また、うつぶせの姿勢でフェイスマットに顔を押し付けると圧迫感があるため、胸の下にバストマットを引くとよいでしょう。
ベッドカバー
幅広のマッサージベッドは表面積が広いので、夏場は涼しく快適に使えますが、患者さんの体温がベッドのクッション部分にとどまりにくいため、冬場は冷たくなりがちです。
そのため、ベッドカバーをして保温機能を高めるとよいでしょう。
特にコットン100%のベッドカバーは保温性に優れている上、通気性も高いので、蒸れずに温度を維持するのに便利です。
まとめ
・幅広のマッサージベッドは施術用ベッドの中でもっとも安定性に富んでいる
・幅広のマッサージベッドを使いこなすには施術スタイルを工夫することが重要
・ベッドの幅を上手に利用することで施術効率を高めることが期待できる
・幅広ベッドにはホットマットやフェイスマットなどのアイテムがおすすめ
幅広のマッサージベッドは、通常の施術用ベッドの倍ほどの広さがあるため、安定感が抜群です。そのため、患者さんがリラックスして施術を受けられます。
ただ、ベッドの幅ゆえに施術師の身体にかかる負担が増す可能性もあるので、幅広ベッドに併せた施術スタイルを習得することが重要です。
と言っても何も難しいことはありません。ベッドに足をかけたり、ベッドの上に乗ったりすれば良いだけのことです。
また、幅広ベッドにホットマットを乗せたり、ベッドカバーを掛けたりすることで保温性を高め、筋肉をより効率よく緩めることも可能です。場所を取るのが玉に瑕ですが、ぜひ上手に活用してください。