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※こちらの情報は2020年4月30日に更新されたものです。
4月11日にはコロナウイルスの感染拡大防止のため、政府は全国を対象にバーやカラオケ、接客を伴う飲食店などの利用を控えるよう国民に呼びかけ、これにより多くの店舗経営者も自粛や時間短縮などの対応が始まりました。
エステサロンなどは休業要請が出ているものの、鍼灸マッサージ院等は指定されておりません。
人と触れることが必要不可欠である鍼灸院・接骨院等の施術所においては
休業すべきなのか、どこまで自粛をすべきなのか、判断を迫られる厳しい状況になっています。
「治療院を一時的に休業したくても補償がなければ不安」
「いろんな保証があるが難しくて自院がどれの対象なのかがわからない」
「スタッフや家族を抱えておりこの先不安」
ウイルスの感染への不安もある中で、営業をできなくなることへの懸念もあり、施術者の方々は大変難しい状況が続いているかと思います。
今回は、新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ちた中小企業者向けの保証をご紹介します。
特に、有資格者の方においては保証の指定業種に追加されたこともあり、経営財源確保の選択肢のひとつとしてぜひご検討ください。
セーフティネット保証5号に”あ・は・き師、柔整師の施術所が追加
令和2年4月8日に「セーフティネット保証5号」の指定業種の中に「あん摩指圧マッサージ師・はり師・きゅう師・柔道整復師の施術所」が追加されました。
その他にも新型コロナウイルスに係る中小企業者向けの対策として
・「セーフティネット保証4号」
・「危険関連保証」
・「利子補給制度」
・「持続化給付金」などの保証があります。
経済産業省では雇用維持のための補償にも力を入れていく方針ですが、具体的にはどんな補償となるのかわかりにくいですよね。
今回はこの「セーフティネット保証4号・5号」ではどのような保証が受けられるのか、対象はどんな事業者なのかを鍼灸院・接骨院等の施術所目線でできるだけわかりやすくご説明をしたいと思います。
中小企業者向け経済対策、セーフティネット保証
セーフティネット保証とは?
セーフティネット保証とは、中小企業庁が定めた8つの保証のことです。
経営の安定に支障が生じている中小企業者を、一般保証(最大2.8億円)とは別枠の保証の対象とする資金繰り支援制度です。
1号 | 連鎖倒産防止 |
2号 | 取引先企業のリストラ等の事業活動の制限 |
3号 | 突発的災害(事故等) |
4号 | 突発的災害(自然災害等)⇒発動中! |
5号 | 業況の悪化している業種(全国的)⇒発動中! |
6号 | 取引金融機関の破綻 |
7号 | 金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整 |
8号 | 金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡 |
どの保証も何か緊急事態が起きた時などに中小企業を守るためのものです。
今回の新型コロナウイルスにおけるやむを得ない休業や経済活動の自粛に伴う売上の減少に対して、
現在「4号:突発的災害(自然災害等)」と「5号:業況の悪化している業種(全国的)」の保証を受け付けています。
※受付期間は令和2年7月30日までとなっています。
セーフティネット保証は具体的にはどんな内容?
実施機関:信用保証協会
- コロナウイルスの影響で経営や返済が難しい中小企業事業者の代わりに「信用保証協会」が借入責務を100%保証してくれる。
- 現在、融資など他で借入をしていても「信用保証協会」が保証人代わりになり、別枠で別の融資を受けることができる。
この2点がセーフティネット保証の内容です。
しかも、金利は1%程度で返済期間は10年程度、そして新しい融資は無担保無保証人で受けられるというのが特徴です(信用保証協会が保証人代わり)。
もちろん、保証とはありますが一種の融資ですので返済してもらった分などが無くなるわけではありません。
しかし、今後返済予定だった借入の金利が1%という低金利になるのはうれしいですよね。
誰が受けられる?セーフティネット保証4号5号の条件
今回ご紹介するセーフティネット保証の4号は47都道府県すべての中小企業者が対象です。
5号は、指定業種が対象です。
この5号の指定業種の中に「あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の施術所」が対象となったのです。
つまり、条件が当てはまれば「4号」「5号」の両方の保証を受けることも可能です。
【セーフティネット保証4号の条件】
- 1年以上継続して事業を行っている。
- コロナの影響で最近1ヶ月の売上が前年同期に比べて20%以上減少している。
上記2点に該当するのであれば、セーフティネット保証4号の認定対象となります。
【セーフティネット保証5号の条件】
- 指定業種の事業を行っている
- 最近3か月間の売上高等が前年同期の売上高等に比して5%以上減少している
上記2点に該当するのであれば、セーフティネット保証5号の認定対象となります。
どちらにしても、売上の減少が前年同期と比較して減少していることが条件です。
その比率が20%を超えるようであれば、「4号」と「5号」を併用することも可能です。
まずは、前年同期と現在の売上高を比較して対象となるかを確認してみましょう。
※この新型コロナウイルスの影響で一部条件が緩和&変更されました。
・セーフティネット保証4号は通常地域を指定されるのですが、現在47都道府県すべてが対象地域となりました。
・4/8 セーフティネット保証5号の指定業種「あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の施術所」が追加されました。
※情報は随時変更される可能性があります。更新日時をご確認ください。(こちらは4/14現在の情報です)
セーフティネット保証を受けるには?
ここまでセーフティネット保証の4号と5号の対象条件、どんな保証内容かをご紹介してきました。
ここからは自分の施術所が保証の対象だった場合、どうやって申請をすればよいのかを解説します。
まずは、「自分がコロナウイルスの影響によって経済的に困っている」ということを証明しなくてはいけません。
おおまかな流れとしては、
【必要な書類を揃える】⇒【自治体で認定をもらう】⇒【信用保証協会に申請する】⇒【融資を受ける】
という流れになります。
ではそのステップをそれぞれご紹介します。
自宅でできる準備
必要な書類を揃える
自治体へ問合せる前に、まずは証明するための資料をそろえなければなりません。
必要書類は各自治体(開業届を出した自治体)
(下記の必要なものは名古屋市が公表しているセーフティネット保証の項目より引用しました)
◆「実印」(印鑑証明のとれる印鑑)および住所、社名、代表者名の入った「ゴム印」
◆申請日の最近3ヶ月と、前年同期3ヶ月の月ごとの売上試算表(月次の損益計算書)の写し
(試算表を作成していない方は売上元帳などの写し)
※なお、兼業の方で主たる業種が別の場合には主たる業種の最近3ヶ月と前年同期の月ごとの売上高のわかる資料も必要となります。
◆「許認可証」つまり開業届等の写し
などが必要です。
《法人の場合は上記に追加して》
◆法人の場合、3ヶ月以内の「登記簿謄本」の原本(履歴事項または現在事項全部証明書)
◆決算書のうち直近1期分の「決算報告書」の写し
以上2点が法人の場合は必要です。
必要な書類はざっくりこんな感じです。
ただ、地域によっては必要なものが若干異なる場合もありますので、各自治体の「セーフティネット保証」についての項目で必要書類についてご確認ください!
セーフティネット保証の認定申請書を作成する
自分の手元で揃えるべき書類等は先ほどご案内しました。
次は自治体でセーフティネット保証の認定をもらうというステップについて説明します。
書類がそろった!と思った皆さん、まだ自治体へ行ってはいけません。
まずは、自分の開業した地域の公式HPで『セーフティネット保証』の申請ページを探しましょう。
そして、認定に必要な申請書を入手しましょう。
『〇〇市 セーフティネット保証』で検索をし、市の公式HPをクリックします。 (4号、5号などを付けても〇)
『セーフティネット保証』の『4号』または『5号』どちらか申請する方をクリックします。
『認定のご案内』という名前のPDFファイル(自治体によって名称は若干違います)をクリックします。
こちらが認定のご案内と申請書です。(画像は名古屋市のもの)
PC等へ保存して印刷してあらかじめ記入することができます。
また、この申請書は【2通】必要となりますので、同じものを2部分ご用意ください。
※同様の書類は各自治体の窓口にもあります。
窓口で記入するには時間がかかる内容ですので、あらかじめ手元で埋めておくとスムーズに申請ができます。
記入例も一緒に載っている場合が多いので、わからなくなったら例を見ながら記入していきましょう!
自治体とのやり取り
自治体の指定窓口へ連絡をする
必要書類と認定申請書を2通用意できました。
まだ窓口へは行かないでください。
申請を待つ方やそれ以外の用事で自治体の役場には人が溢れてしまいます。
3密を避け、短い時間で申請を行えるよう、必要書類等が用意できてから自治体の指定窓口へ電話をしましょう。
電話番号や指定の窓口は、先ほど認定申請書をダウンロードしたページに記載があります。
電話がつながりましたら「セーフティネット保証の5号(または4号)の認定申請をしたい」という旨を担当の方へ伝えましょう。
申請の面談の日時等を決めます。
自治体へ行き、認定申請をする。
必要書類は全て揃っているか、認定申請書の記入漏れ等ないか等確認し、予約した日時に自治体の指定窓口へ行きましょう。
信用保証協会とのやり取り
地域の信用保証協会へ申請する
自治体で認定をもらえましたら、いよいよ保証の申請へ進みます。
このあとは自治体ではなく、信用保証協会とのやり取りになります。
まずは、お近くの信用保証協会のHPへ移動します。
どの地域のHPでも、「新型コロナウイルスで影響を受けている中小企業者様へ」といった特設ページが出来ています。
いくつか制度のご案内がありますが、「保証」と書かれた部分が今回のセーフティネット保証等についての案内です。
受けられる保証の内容、金利等細かく掲載されておりますので一度ご確認ください。
※受付期日はどんどん延長されている傾向があります。4/13の時点では6月30日までだったのですが、4/14に確認しましたら7月30日までになっておりました。
この記事をご覧になって気になった方は再度受付日時を信用保証協会のHPでご確認いただくと正確です。
保証について確認し、もしその他制度の利用もご検討されているようでしたら手順に沿ってご準備ください。
信用保証協会への申請は窓口へ連絡しご相談いただき、担当の方からの指示に従ってください。
ここでの連絡までに必要な事前準備はありません。
その後、信用保証協会から申請の許可が通ったという連絡が入れば、融資を受ける手順に進むことができます。
まとめ
ここまでのまとめ
- セーフティネット保証とは、緊急事態で経営の安定に支障が生じている中小企業者を、一般保証とは別枠の保証の対象とする資金繰り支援制度です。
- 現在、新型コロナウイルス関連で受けられるセーフティネット保証は「4号:突発的災害(自然災害等)」と「5号:業況の悪化している業種(全国的)」です。
- 受付の期限は令和2年7月30日まで。(※延長の可能性有り)
- 中小企業者には個人でやっている治療院も含まれます。
- 4号:最近1ヶ月の売上が前年同期と比べて20%以上減少している中小企業者が受けられる。
- 5号:最近3ヶ月の売上が前年同期と比べて5%以上減少している中小企業者が受けられる。
- 4号、5号の二つの条件を満たしていれば併用も可能。【必要な書類を揃える】⇒【自治体で認定をもらう】⇒【信用保証協会に申請する】⇒【融資を受ける】のステップで保証を受けられる。
- 自治体で認定をもらうまでに必要な書類が多いため、事前に揃えておく必要がある。
- 申請する自治体は開業届を出した地域の自治体の商工課等で行える。
- 地域によって書類等は細かく異なる場合があるため、地域(市)の自治体HP、地域の信用保証協会のHPを確認する。
ここまでセーフティネット保証4号5号の申請方法についてご紹介してきました。
信用保証協会への申請以降は比較的簡単なのですが、必要書類を用意し、自治体に認定を受けるところまでが少し複雑でした。
特にあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の先生方は指定業種として保証が受けられますので、
ぜひとも受けられる国の制度はしっかりと利用して再開したときに備えましょう。
またこのように有資格者の皆様が受けられる保証や制度についてもこちらのブログ「新型コロナウイルス関連」のカテゴリー内でご紹介をしてまいります。
何卒不足している部分等もあるかと存じますが、その際はご指摘いただけますと幸いです。
この事態を業界全体で乗り越えていきましょう。
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