外反母趾という症状をご存知でしょうか。
この症状は、特に女性に起こりやすい症状です。
鍼灸院を開業する際に、もう一度確認しておきたいという方もいらっしゃいます。
外反母趾にはどのような施術が最適なのでしょうか。
そこで今回は、外反母趾の症状や治療法について紹介します。

□外反母趾の症状

外反母趾とは、足に現れる症状です。
特徴としては、足の親指が人差し指の方に曲がり、親指の付け根が足の内側へ出っ張ってしまう状態が挙げられるのですが、突き出した付け根は、痛みを伴います。
また、突き出しているため靴の内側にも擦れて、さらに痛みが増す場合もあり、非常に困った症状です。

痛みは程度や人によりさまざまです。
初期の外反母趾では、親指の角度は10~15度程度です。
この頃には痛みがない場合が多いです。
では、どのくらいから痛みが出始めるのでしょうか。
一般的に角度が20度を超えたあたりから痛みが出始める場合が多いです。

痛みの種類はどのようなものなのでしょうか。
外反母趾になると、足の付け根がズキズキと痛み始めます。
しかしこれは初期の症状です。

ズキズキするくらいなら耐えられるとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしこの症状では、症状が経過していくと、変形した骨が神経を圧迫し始めます。
そうなると、親指が痺れてきます。
親指が痺れてくると、耐えられないという方も多いでしょう。
また、症状が重症化しているだけでなく、見た目にもよくありません。

外反母趾は、初めは軽度な曲がり具合から始まります。
しかし、その角度は日に日に深くなっていきます。
親指の曲がりが進行すると、自然に元に戻ることは少ないです。
足を痛めると、さまざまなことに支障が出るため、足を痛めたくはありません。
そのため、このような症状が出ないような予防が大切です。

外反母趾の原因にはさまざまな説があります。
そのため、残念ながら明確な対策はありません。
しかし、足に負担がかかっていることが原因なのは明らかです。
普段から足に負担をかけないように心がけましょう。
もし足に負担をかけてしまったと感じた日には、その後しばらくは足を休めるなどの対処をしましょう。

□外反母趾の5つの種類

外反母趾は、痛みを伴う恐ろしい症状です。
簡単にまとめると、親指が曲がり、付け根が痛むといった症状でした。
しかし実は、外反母趾の症状にはさまざまな種類があります。
それぞれについて確認しておきましょう。

まずは、靭帯性外反母趾です。
足の指は普通、横向けのアーチのような並びをしています。
つまり親指と小指が低く、中指が高いという並びです。
それが普通だと感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このアーチが崩れてしまうことがあります。
このアーチが崩れ、指の並びがたいらになった時、親指が曲がってしまいます。
それにより骨の付け根が突き出てしまいます。

仮骨性外反母趾では、他とは異なり親指は曲がっていません。
親指が曲がっていることと、親指の付け根が出っ張っているという2つの症状がありました。
しかし、これらの症状のうちで出っ張っている症状のみが現れている場合が仮骨性外反母趾です。
親指の付け根のみが横向けに異常に発達して、出っ張ってしまいます。

混合性外反母趾という種類もありますが、これは靭帯性外反母趾と仮骨性外反母趾の症状が合併しているために起こる外反母趾の一種になります。

ハンマートゥ性外反母趾という、カタカナの名称のものもあります。
生まれつき指が長すぎたり、ハンマーのように縮こまっていたり、上を向きすぎていたりする足の場合、起こってしまいがちです。
足の指が極端に浮くことで、外見が弱々しく見えるという特徴があるでしょう。

病変性外反母趾は他の症状とは少し異なります。
リウマチなどの病的要素や、事故による変形や脱臼によって発症します。
この場合、手術によってのみ治療できるでしょう。
しかし、手術の成功率は低く、最初のリスクも高いため、他のものとは大きく異なります。

□外反母趾は何が原因なのか

痛みが恐ろしい外反母趾にはさまざまな種類がありました。
実際にはどうしてこのような症状が出るのでしょうか。
明確な原因は解明されていません。
しかし、いくつか考えられる原因があります。

外反母趾には、遺伝的な原因があると考えられています。
外反母趾患者の家庭において同じ症状が発症している割合が6〜8割確認されたという研究があります。

また、足の形も原因の1つとされています。
足の指の長さは人によってさまざまであることはご存知でしたか。
さまざまな指の長さの人がいますが、親指が人差し指よりも長い足の形をエジプト型と呼びます。
エジプト型の足では、外反母趾が起こりやすいでしょう。
というのも、親指が長いと靴で親指を圧迫してしまいがちです。

靴は外反母趾の原因の1つとして有名です。
特に、かかとの高い靴は外反母趾の原因とよく言われます。
これは、足の指先に過度な負担がかかるためでしょう。
かかとの高い靴が外反母趾の原因となるのは想像しやすいのではないでしょうか。
しかし、外反母趾は窮屈なかかとの高い靴だけでなく、脚よりも大きくゆとりのありすぎる靴でも起こってしまいます。

どうしてゆとりのある靴でも症状が出るのでしょうか。
本来、土踏まずはその名の通り地面に接着しません。
しかし、歩行の際には土踏まずは地面に近くなります。
この状態は、靴を履いていれば横幅が歯止めを効かせて、土踏まずを浮かせたままにできます。
しかし、大きい靴を履いていると、歯止めが効かず足が横に広がり切ってしまいます。
足が横に広がってしまうと、足の指のアーチが維持できません。
そうすると、外反母趾になってしまう場合があります。

□外反母趾の治療法

外反母趾には、大きく分けて2つの治療法があり、保存治療と手術治療と言います。
今回は、保存治療について確認しましょう。
保存治療にもさまざまな種類があり、靴指導、運動療法、装具療法、薬物療法の4つです。
それぞれ確認しましょう。

靴治療では、痛みの軽減および変形の進行を抑えます。
親指のつけ根がフィットし、指先はゆったりとした形で、ヒールは低く、柔らかい素材の靴で行います。
運動療法は、足の親指で運動をして治療します。
運動法にはさまざまありますが、ゴム紐を両足の親指にかけて離す方向に力を入れるHohmann体操が良く知られていますが、軽度から中等度の外反母趾に対して効果があるとされています。
この程度の運動であれば、挫折する人も少ないのではないでしょうか。

装具療法には3つの種類の器具があります。
痛いところを除圧するパッド、矯正用装具、足の横アーチを補強するインソールの3つです。
これらは、使用している間は痛みが軽減されますが、使用をやめると再発してしまいます。

そして、4つめは薬物療法でした。
薬物療法では湿布、軟膏、クリームといった消炎鎮痛剤入り外用薬などを用います。
これらの薬に馴染みが深い方もいらっしゃるのではないでしょうか。
薬物療法は、他の治療法との同時使用が可能です。
効果を最大化させるため、他の治療と並行して行いましょう。

□まとめ

外反母趾は、痛みを伴う症状でした。
見た目にも痛々しくなるため、早く治療したいという方は多いです。
外反母趾は、予防にも治療にもさまざまな方法があります。
痛みを我慢しても外反母趾は良くなりにくいでしょう。
足に異変を感じている方には、診断と治療をおすすめします。

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