新型コロナウイルスの現状と研究の背景

2021年2月の時点で新型コロナウイルスのパンデミックにより1億人以上が感染し240万人が死亡していると、ジョンズホプキンス医科大学コロナウイルスリソースセンターは発表しています。

東洋医学の大元である中国では鍼治療がこの新型コロナウイルスに対する補完的な治療法の1つになり得るのではないかと考え、研究が進められています。

なぜ新型コロナウイルスに対して鍼治療が?と思われた方もいるかと思います。
この発想は鍼灸治療が得意とする抗炎症、免疫活性化、神経系調節という観点から有効ではないかと考えたからです。

レポート内容

概要
鍼治療は、炎症性疾患の治療に広く使用されている漢方薬の重要な部分です。コロナウイルス病2019(COVID-19)の流行の間、鍼治療は中国でCOVID-19の補完的な治療法として使用されてきました。ただし、COVID-19の鍼治療の根本的なメカニズムは不明であります。バイオインフォマティクス/トポロジーに基づいて、この論文は、テキストマイニング、バイオインフォマティクス、ネットワークトポロジーなどを通じて、COVID-19の鍼治療のマルチターゲットメカニズムを体系的に明らかにしました。鍼治療後に生成される2つの活性化合物と180のタンパク質ターゲットが特定されました。COVID-19の鍼治療に関連する合計522の遺伝子オントロジー用語が特定され、61の経路が京都遺伝子ゲノム百科事典に基づいてスクリーニングされました。黄色ブドウ球菌感染症など。この研究では、鍼治療が、癌、心血管疾患、肥満のCOVID-19患者に追加の利益をもたらす可能性があることもわかりました。私たちの研究は、COVID-19での鍼治療の複数の相乗的メカニズムを初めて明らかにしました。鍼治療はCOVID-19の治療に積極的な役割を果たす可能性があり、さらなる促進と適用に値します。これらの結果は、現在世界が直面しているこの差し迫った問題を解決するのに役立つ可能性があります。

ソース:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8083275/

まとめ

この研究から、鍼治療によって新型コロナウイルスの臨床症状を緩和し、合併症の予防および基礎疾患患者の背勝の質と予後を改善することがさらなる研究で期待できるのではないかとしています。

ワクチン接種も世界的に始まっており、日本でも接種は進んでいますが、副作用の頭痛がでたり、接種後の感染なども報告があるため完全な治療法は確立されていないのが現状です。
今後研究が進み、鍼治療の可能性が少しでも現状の改善に繋がるといった革新的な研究結果を待つばかりです。

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