短期間で効率的な筋肉トレーニングが実現できるとして、注目を集めている「EMS機器」。業務用や家庭用など、さまざまな種類があり、どのEMS機器を選べば良いか分からないという悩みを抱える方は少なくありません。

当記事では、業務用EMS機器と家庭用EMS機器の違いを網羅的に解説します。おすすめの業務用EMS機器についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

EMSとは?

「EMS」とは、「Electrical Muscle Simulation」の略称で、電気刺激により筋肉を動かすマシンのことです。EMS機器を使用することで、脂肪燃焼の促進やボディラインの引き締め、基礎代謝の増加、運動不足の解消といった効果が期待できます。

EMS機器が注目を集める背景

現代人を悩ます体の痛みと言えば、腰痛や肩凝りなどの症状が挙げられます。また、女性の場合は、「産後で骨盤周りに違和感がある」などの悩みも多く見られます。

これらの症状は、根本原因に姿勢が関係しています。筋力不足や日常生活で何気なくしている動作や姿勢の癖から、身体が歪むことがあります。特に、運動習慣のない方や中高年の方、産後の女性などはインナーマッスルが低下しやすく、体のどこかに不調をきたすケースが珍しくありません。

インナーマッスルは深層部にある筋肉ですが、筋肉トレーニングでは表層筋だけしか動かしづらく、自分では簡単に鍛えることができません。しかし、EMS機器を使用することで、深層筋にも刺激を促せるため、普段使用しない筋肉やインナーマッスルを効果的に鍛えることができるのです。

また、インナーマッスルを鍛えることは、怪我や病気を防いで、将来介護が必要とならないための予防にもつながるため、健康寿命を伸ばすことにも寄与します。

業務用EMSと家庭用EMSとの違い

EMS機器には、業務用EMSと家庭用EMSの2種類があります。両者の違いは、主に周波数や鍛える筋肉、パッドの形などです。以下では、業務用EMSと家庭用EMSとの違いについて詳しく紹介します。

周波数

業務用EMSと家庭用EMSの最も大きな違いは、周波数(ヘルツ・Hz)にあります。周波数を簡単に説明すると電気が届く深さのことで、マシンの周波数が高ければ高いほど、体の深部までアプローチすることが可能です。周波数は、低周波・中周波・高周波の3つに分けられます。

:低周波マシン

低周波マシンとは、周波数が0.1Hz~1,000Hzのものです。一般的に販売されている家庭用EMSは、低周波マシンがほとんどで、周波数は20Hz~100Hzほどです。

低周波は、皮膚の表層に近い箇所の筋肉を動かすことができ、肩こりの解消やマッサージ効果、疲労回復、血行促進などの効果が期待できます。ただし、人によってはEMS特有のピリピリとした痛みを感じることがあります。

中周波マシン

中周波マシンとは、周波数が1,000Hz~10,000Hzのものです。中周波は、皮膚下3~4㎝まで届き、リンパの流れを良くするため、ふくらはぎや太もものセルライトやむくみを解消する効果が期待できます。

また中周波は、インナーマッスルにも刺激を与えられるという特徴があります。さらに、浸透力も高いため、多くの筋肉を同時に刺激することも可能です。 最近では、痩身や部分痩せのマシーンにも中周波が利用されています。

高周波マシン

高周波とは、周波数が10,000Hz以上のものです。低周波や中周波と比較して、電気の波が細かく、通電の深さは皮下組織15~20cmと深層部まで届きます。

1秒間に約5回の筋収縮運動を行うことができるため、代謝機能の促進や体力回復、しびれ・麻痺の緩和や鎮痛作用、消炎作用などが期待できます。また、高周波においては筋肉運動はほとんど起きず、皮膚抵抗も少ないため、EMS特有のピリピリとした痛みなどは感じづらくなります。

なお、高周波EMSは専門の知識や技量を有した人でないと、正しく取り扱うのが難しいです。このような理由から、業務用EMSは高周波のものが多く、家庭用EMSは低周波のものが多くなっているのです。

鍛える筋肉

業務用EMSと家庭用EMSでは、鍛えられる筋肉や施術できる範囲にも違いがあります。

具体的には、業務用EMSは、専用のパッドを任意の部位に貼り付けて施術できるため、全身を幅広くカバーすることができます。また、出力が高いためインナーマッスルに刺激を与えやすく、普段自分では鍛えにくい筋肉を動かせるメリットもあります。

一方で家庭用EMSは、パッドの位置が全て固定されていて、特定の部位のみを鍛えられる仕様がほとんどです。なかには、パッド型で任意の部位に使用できるタイプや、ハンディータイプで美顔器のように使用できる製品もありますが、出力が低いため、皮膚に近い筋肉を鍛える効果に留まります。

業務用EMSは、広く深いアプローチを行える一方で、家庭用EMSは狭く浅いアプローチに限定されるイメージを持つと分かりやすいでしょう。

パッドの形

業務用EMSは、機器本体とつながったコードの先端に電気を流すパッドが付属していて、パッドを皮膚の表面に貼って電気を流します。基本的にパッドは1枚ずつ分離されていて、身体中どこにでも貼り付けられるため、目的や体型に合わせて的確な部位に刺激を与えられます。

反対に、家庭用EMSは、ベルト型・マット型・マスク型などの形状でパッドが固定されているタイプがほとんどです。そのため、鍛えられる場所が限定的で、汎用性はあまり高くありません。

※表

業務用EMSの選び方

一口に業務用EMSといっても、その種類は非常に多岐に渡ります。製品によって機能や価格、特徴なども異なるため「何を基準にEMS機器を選んだら良いのか分からない…」という方も少なくありません。以下では、業務用EMSの選び方について紹介します。

機能

せっかくEMS機器を導入するのであれば、当然のことながら患者様にも施術の効果を実感してもらいたいものです。施術の効果に直結する要素が、マシンの性能です。性能が良い製品であれば、店舗の評判向上にもつながります。費用と性能のバランスを見ながら、自社に最適な製品はどれかを検討しましょう。

また、導入時には製品の多機能性という観点でもチェックするのがおすすめです。例えば、EMS機能のほかにも、キャビテーションや超音波、ラジオ波などの機能が搭載されている機器であれば、複数のメニューを1台でこなすことができます。

多機能なマシンを導入すると、同時に複数の施術メニューを展開できるようになるため、顧客の幅も広がります。店舗の売上アップにも関わってくるため、搭載機能にも注目してマシンを選んでみてください。

価格

本体価格やランニングコストも、注意して確認しておくべき事項のひとつです。本体価格が安いマシンは導入のハードルを抑えられますが、パッドの交換費用やタオル・ジェルといった消耗品費用のランニングコストが高いモデルでは、トータルコストが増加してしまいます。また、施術時間が長くなることで回転率が下がる可能性も考えられるため、安さだけで導入マシンを即決するのは得策ではありません。

なお、導入時の初期コストが気になる場合には、レンタルプランに対応した業務用EMSを選ぶこともひとつの手です。レンタルで業務用EMSを契約することにより、導入コストを抑えながら豊富なメニュー展開を実現できます。

サポート体制

EMS機器を選ぶうえでは、メーカーのサポート体制をチェックすることも忘れてはならないポイントです。特に、EMS機器を導入してからしばらくは、取り扱いに不安や疑問が生じることが予想されます。その点、導入時に講習を開催していたり、専任の担当者が導入後も運用をサポートしてくれたりするメーカーであれば安心できます。

サポート体制はメーカーによって異なるため、導入前にサポート内容や対象期間をしっかりと確認しましょう。

また最新のEMS機器であっても、機械である以上は、不具合や故障のリスクが付きものです。そのため導入後に、不具合や故障などのトラブルが発生した場合は、迅速に修理や交換などに対応してもらえるかどうかもチェックしておきたいものです。

EMS機器を使用する際の注意点

EMS機器を使用する際は、いくつかの注意点に気を付けることが重要です。EMS機器を安心・安全に使用するために、EMS機器を使用する際の注意点について理解を深めましょう。

心臓周辺には使用しない

心臓は電気の刺激に大変敏感なため、原則としてEMS機器は心臓周辺には使用できません。心臓に悪影響を及ぼす可能性もあるため、各メーカーや国民生活センターでも注意喚起が行われています。使用前には、取扱説明書をよく確認し、心臓周辺に刺激を与えるのは控えるようにしてください。

またEMS機器は、誰もが使用できるわけではありません。安全上の理由から、次のいずれかに該当する場合は、利用を控えることが推奨されています。

  • 心臓疾患がある方
  • 悪性腫瘍がある方
  • 妊娠中の方
  • 治療部位にタトゥーや刺青が入っている方
  • 腹部の手術歴がある方
  • ペースメーカーなどの医療機器を使用している方
  • 副腎皮質ステロイド内服薬を服用している方

使いすぎに注意

EMSは、微細な電流を流すことによって、筋肉に刺激を促すものです。筋肉が動けば、当然ですが、通常の筋肉トレーニングのような効果が見られます。筋肉が疲労することによって筋肉疲労が起こったり、高強度でマシンを使うことで筋肉痛になったりする方もいます。

EMSの使いすぎは、筋肉に過度な負担がかかるため、説明書に記載の使用頻度を正しく守り、使用後はタンパク質などの栄養を補給するケアを行うようにしましょう。

おすすめの業務用EMS機器【フィジオEMS8】

【フィジオEMS8】は、高周波と低周波による複合高周波EMS機器です。数多くの有名アスリートに認められている最先端の業務用EMSで、最大16パッドによる2ベッド、4部位の同時アプローチが可能です。以下では、フィジオEMS8の特徴や価格、商品詳細について説明します。

特徴

一般的な低周波のみのEMSでは、ピリピリした痛みが出るため、出力を大幅に上げることができず、インナーマッスルまでなかなかアプローチできません。一方、【フィジオEMS8】は複合高周波EMS機器のため、痛みを抑えながら浅層だけでなく、深層のインナーマッスルまで適切なアプローチが行えます。

また【フィジオEMS8】は、1〜4のチャンネルが時間差で追従するように出力されるため、体内でグルグルとうねるような感覚を体感できます。さらに、「標準」「波状」「穏やか」「強力」の4つのモードが、サイクル式に自動で切り替わるため、感覚を慣らすことなく長時間新鮮な刺激を維持して筋力トレーニングができます。

特に高齢者の場合は、激しい刺激の運動だけでなく穏やかな不活動筋への刺激も欠かせません。【フィジオEMS8】は、穏やかな筋収縮のみを実施するコースも搭載しているため、介護施設やデイサービスなどで日常生活動作の改善や筋力低下の予防にも役立ちます。

価格

定価 1,408,000円
※治療院価格はお見積りとなります。

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※表が入ります

まとめ

当記事では、業務用EMSと家庭用EMSの違いや、EMS機器の選び方、EMS機器を使用する際の注意点についてお伝えしました。

業務用EMSを導入する際は、機能性や価格、サポート体制などを重視しながら選ぶのがポイントです。特に、開業サポートが受けられるものであれば、導入後の効果を実感しやすくなるため、鍼灸院や接骨院の開業を目指す方におすすめです。今回紹介した業務用EMSの選び方を参考にしながら、自院に最適な機器を選んでみてください。

メイプル名古屋では、高周波治療器や超音波治療器など、多数の医療機器を豊富に取り揃えています。お試しでの使用も可能で、取り扱い方法を分かりやすく説明し、丁寧にサポートするため、初めての方でも安心です。

また、鍼灸院・接骨院を新規開業するオーナー様には、コンサルティングサービスも提供しています。鍼灸院・接骨院の開業に知見が深いスタッフが、診療プランをご提案します。EMS機器をご希望の際には、ぜひメイプル名古屋にご相談ください。